11月3日、雲仙市の吾妻ふるさと会館において、昨年のノーベル化学賞を受賞なさった下村脩博士の「私はどのようにして科学者になり、ノーベル賞をもらったか」という講演会がありました。
下村脩氏の瑞穂町のご実家を守ってらっしゃるのは、下村さんの従妹に当たる島高同窓生の方です。そのご縁で、400名しか入れない会場の整理券をいただき、貴重なお話しを聞くことができました。
生い立ちから写真を見せながらのお話しで、研究内容のかなり専門的なお話しも、とてもわかりやすくて、1時間があっと言うまでした。
最後のメッセージ「どんな難しいことでも努力をすれば何とかなる。絶対あきらめずがんばろう」は、会場を埋めた400名の心にしっかり刻まれる生き様のわかる講演会でした。
私が興味深かったのは、オワンクラゲ1万匹から抽出した天然のGFP(下村博士が発見した分子全体がタンパク質という珍しい性質を持つタンパク質)の試験管を掲げられ、そこに紫外線を当たられたら、蛍光発色した瞬間です。
会場中がどよめきました。
今、いろんな色の蛍光タンパク質が人工的に作られるようになっているらしいのですが、天然のGFPは、この試験管のものだけだよとおっしゃいました。
講演後、小中学生や大人など9人もの質疑応答があり、博士の人間らしい一面がかいま見え本当に有意義なひとときでした。
科学者以外の職業は考えつかないとかなり悩まれた博士、金持ちになりたいなら科学者は目指すなとか、ノーベル賞受賞の第一報には、「困ったな」と思ったとか、本音で小中学生に語られる博士に、会場の7割を占めていた未来を担う小中学生は聴き入っていました。
下村博士、本当にお疲れ様でした。
82歳のご高齢とは思えない、すらりと背の高い素敵な紳士でした。
帰りに「下村脩博士ノー部宇化学賞記念碑」の建立された瑞穂町総合支所に寄りました。