福田茂子著「ごしゃんまんしゃんしなゝのけっちゃん〜95歳の自伝」(2007年刊)を、長女の山田佑子氏より寄贈されました。
福田(旧姓荒木)さんは、大正元年に南島原市有家町蒲浦で生まれ、昭和4年に島原高等女学校を卒業なさいました。
昭和30年、ご主人とともに長崎市に「ひかり幼稚園」を創設、昭和32年には福田寺(ふくでんじ)を開山され、80歳まで園長先生を勤められましたが、今年3月お亡くなりになったそうです。
題名は意味は、「ごしゃん」はお嬢さん、「まんしゃん」は坊ちゃん、「しなゝのけっちゃん」は走ってみたらびりばかりという有家の方言らしいです。
福田さんは蒲河浜の本家と呼ばれる荒木家のごしゃんだったらしいのですが、運動は苦手でよく「しなゝのけっちゃん」とからかわれたとか・・
でも勉強を頑張られて、蒲河からの初めて女学校を受験され、見事合格、寄宿舎生活をされました。
卒業後、長崎女史師範を出て小学校の先生になりますが、加津佐出身の福田氏と結婚し中国に渡られたりと戦中戦後の混乱期を生き抜いて来た方の実話はとても興味深いです。
95年の歳月を振り返り、懐かしい方々との思い出が、木訥とした語り口で書いてあり、私も母や祖母から話しを聞いているような気分になりました。
生前、有家は心のふるさと、島原高女での生活が人生の一番の基盤になったとおっしゃっていたそうです。
有家や島原の昔の様子もよくわかります。
同窓会文庫に入れています。
これも山田さんが、全員発送した「110周年記念18号」で、島高同窓会のことをお知りになって、贈ってくださったのだから、良いご縁だな〜と思いました。